野球肘
野球肘とは
- 野球の投球動作によって生じる肘関節の障害を総称して野球肘と呼びます。
- 繰り返しボールを投げることによって肘への負荷が過剰になることが原因です。
- 野球肘は大きく分けて外側型、内側型に分けられます。
- 外側型は圧迫(骨同士がぶつかって)、骨、軟骨が剥がれたり、痛んだりします。また、内側型では牽引(引っ張られて)靭帯、腱、軟骨が痛みます。
症状
投球時や投球後に肘が痛くなります。肘の伸びや曲がりが悪くなり、急に動かせなくなることもあります。
治療
- 当院では可動域訓練(関節の曲げ伸ばし)、体幹下肢機能改善訓練(ストレッチやコアトレーニング)、投球機能回復訓練(肩、肘のストレッチ、筋力トレーニング)など保存療法を第一選択とします。
- 保存療法で痛みが変わらない症例、外来受診時に症状が進行している場合は、除痛を目的とした経上腕骨外顆逆行性骨穿孔術(骨に穴を開けて血液を流し、損傷部位の治りを促す)を行います。
- 術後は翌日からリハビリを始めます。訓練内容が習得されたと判断できたら術後1週間で退院します。退院後は自宅でリハビリを行い、定期的に検診に来ていただきます。肘関節の可動域、患部外のコンディショニングの改善を確認した上で投球フォームチェックを行い、肘に負担のかからないフォームの取得を行います。痛みがなくなり、フォームの取得ができたら徐々に山なりから投球を始め、術後約12週を目標にスポーツ復帰します。
手術中の様子
関節軟骨の状態、滑膜炎の確認
関節面に達しないようにKWを病巣中央に挿入
ピンを囲む形で平均12ヶ所ドリリングを施行
手術前後写真